もちろん、私たちだって食事を作ったり食べたりするので料理には馴染みがあります。しかし、食材加工という領域は全くの別物です。当然、私たちが加工したものが人を害してはいけませんし、使う器具も量的な発想もすべてが別世界。当然、私たちの会社事業の一部に加工業を組み込んだときは意気揚々としていましたが、いざやってみると苦労の連続でした。
加工の可能性
たとえば、効率性でいえば、どのような作業をどのような順番で行なっていくことが生産効率を高めるのか、といったことや、作ったものを入れる容器の消毒、加工する時の時間や量の話などなど、苦労して突破してきたポイントをあげていけばキリがありません。それでも、やはり加工品を出荷できた時の喜びは大きなものです。ましては、そこにお客様が評価してくれるのですから、すべての苦労は文字通り吹っ飛びます。
素材に注力
加工すればするほど、自分たちが素材の生産者であることを痛感します。同時に、加工するからこそ、素材の良し悪しが別の角度から見えるようになりました。これは大きな価値だと思います。肥料をどのように変えるのか、水やりのバランスをどうするのか、一つ一つの作業の意味合いがより充実してくるのです。これは、大きな発見だったと言えます。
生産者として
我々は生産者である。これを再認識させてくれたのも加工であり、その加工品に対して評価をいただいているお客様です。つまり、加工品は生産者としての我々と消費者としての皆様の、新しいリレーションの方法論そのものになったと言えます。コミュニケーションも少しずつ変化しています。お客様、バイヤーの皆様との円滑なコミュニケーションの実現もずいぶん前進してきました。目指すははるかかなたにせよ、加工が我々にもたらしてくれた価値は素晴らしいものであり、今後もできることを蓄積していきたいと考えています。