もち米は、イナゾーファームにとって思い入れの強い作物です。というのも、初代が農業をはじめ辿り着き、今のファームの基礎を作ったのが稲作であり、2代目の時代ではじめてもち米を選択することになったからです。基本的にはJAに卸しているものですが、品質を追求する欲求は高く、まだまだ開発の余地があると常々考えています。北海道はすべての作物の北限ですが、特に北に位置する士別市はうるち米の北限であり、隣接市は「もち米団地」として注力しています。

見極めるべきブランド化

20haある我々の農地の30%をもち米生産が占めています。とはいえ、消費者側の目線で言えば「もち」にはいろいろな可能性があります。お菓子の素材になることもあれば、主食に近いもの、さらにはお土産物としてなど、加工への応用が効くことから、さまざまな二次利用に適しています。私たちにとっては、単に消費者に対する直接の農作物提供だけではなく、BtoBとの関係を持つ貴重な生産物でもあるのです。

深まるノウハウ

もち米の当農場における価値はそれだけではありません。もち米からは最高の資材が沢山取れるのです。もち米の藁・もち藁はうるち米の藁よりも繊維が柔らかく、微生物にとって最高の食事となります。雪のしたで一冬を越えて分解した藁をすき込んだ畑の農産物は、ふかふかの土の上で延び延びと成長します。籾殻も最高の資材です。もち米は我々の農業生産に欠かすことのできない最高のパートナーなのです。